デフレ認定は良いけど対策はどうするの?

 政府は20日発表した11月の月例経済報告で、日本経済は物価が持続的に下落する「緩やかなデフレ状況にある」と正式に表明した。月例報告で「デフレ」と認定するのは2006年6月以来、3年5カ月ぶり。国内経済は持ち直しに転じているものの、物価下落で企業収益の悪化や失業増大につながるリスクがあり、政府は雇用対策などに重点を置いた第2次補正予算案の策定を急ぐ。菅直人副総理は記者会見で「デフレ脱却には日銀にも協力してほしい」と注文をつけた。

政府月例報告「緩やかなデフレ」認定 3年ぶり

 政府はついにデフレ認定を行いました.2008年には原油高の影響もあり,コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)は2%を超えていましたが,コアコアCPI(コアCPIからエネルギー分野を除いたもの)は,1998年以降ほぼマイナスで推移しました.
 このように,2003年からの景気回復も弱含んだものであり,現在のデフレは日本経済に大きな負担となってしまいます.しかしながら,90年代の自民党が行ったような,亀井大臣の主張する強力な財政出動による景気刺激に頼ることは,国債金利上昇懸念もあって非常に難しいです.また,日銀に責任を押し付けても,白川総裁の発言からわかる通り,積極的な金融緩和を実行しないように思えます.従って,日銀政府が協力して,金融緩和,最低限の財政出動インフレターゲットによるデフレ脱却を目指すべきです.
 民主党は,日銀総裁人事で,日銀の独立性を守ることを強力に要求していたこともあり,日銀とのアコードは政治的に難しい状態です.しかし,未曾有の経済危機であるとの説明責任を果たし,実行しなければ,「鳩山不況」が現実のものとなるでしょう.