管副総理の「第三の道」

 最近経済における「第三の道」を考えている。
 つまり60年代の日本の高度成長はなぜ可能だったのか。そして80年代後半のバブル崩壊以降なぜ日本は長期の経済低迷に陥ったのか。さらに、2000年代に入り進められた規制緩和など市場万能主義の小泉・竹中路線がなぜ失敗したのか。
 端的に言えば80年代以降、投資効果に低い公共事業に巨額の財政をつぎ込んだのが経済の低迷の原因。小泉・竹中路線は、リストラなどによる各企業の競争力の強化が社会全体の生産性向上になると考えたが失業を増加させ、社会全体としての経済成長につながらなかったのが失敗の原因。それでは過去の失敗を繰り返さない経済運営における「第三の道」は何か。現在、深く考慮中。

経済における第三の道

 一般的に第三の道といえば,ブレア政権における,新自由主義・市場原理を残しながらも,所得再配分等の福祉分野もケアする道であると,私は理解しています.これまでの民主党政権は,郵政の実質国営化など,小泉改革の全否定というような政策を行い,規制改革や法人税減税などの成長戦略に乏しいものでした.環境や林業のターゲティング政策だけで,日本経済の牽引を図ることなど夢物語です.
 やはり,子供手当などの再分配だけではなく,どのように企業の設備投資や投資家の投資意欲を高めるかを考えなければ,税収は落ち込んで行くだけだということに,管副総理は気付き始めているんだと思います.恐らく経済政策の司令塔を任される立場で,様々な意見を耳にし,「深く考慮中」なのでしょう.
 もちろん政権交代前に,そのようなことは議論済みであるべきなのですが,まともな方針もないことは事実です.ここで民主党は,結党の理念に戻り,改革政党としての方針を打ち出すことが重要です.例えば郵政に関しても,2005年当時は簡保は完全民営化,郵貯は実質国営での規模縮小による,市場主義(官から民への流れ)を支持していました.民主党が「第三の道」に転換するポテンシャルは十分に持っています.ここで,国家戦略室を,小泉安倍内閣における経済財政諮問会議のように使い,大規模な規制改革を打ち出せば,マーケットの空気も180度変わるはずです.それが,民主党政権が成功する唯一の道であると私は信じます.